女性の腫瘍に関連する専門医療領域で、良性および悪性の疾患を診療対象とし、高度な技術と幅広い診療経験に基づいて、患者の立場に立った高品質な医療を提供することを目指しています。患者と相談しながら最適な治療計画を策定し、検査結果に応じて必要な場合には、傷跡が小さく体に与える影響が少ない内視鏡手術(腹腔鏡下手術など)を積極的に採用しています。近年、3Dハイビジョン内視鏡を使用した腹腔鏡下手術も導入されており、入院期間の短縮を目指しています。
さらに、子宮頸部上皮内腫瘍に対しては、妊娠可能性を最大限に保持するためにPDT(光線力学療法)を実施しています。このように、婦人科は女性の健康を維持し、疾患を治療するための包括的な医療ケアを提供する専門領域です。
などの診断および治療
などの診断および治療
などの診断および治療
治療数 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
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婦人科手術件数 | 474例 | 396例 | 417例 |
腹腔鏡手術件数 | 153例 | 143例 | 157例 |
良性腫瘍:手術件数 | 306例 | 279例 | 281例 |
悪性腫瘍:手術件数 (境界病変を含む) |
168例 | 117例 | 136例 |
PDT治療症例数 | 40例 | 39例 | 40例 |
婦人科の良性疾患に対する手術では、患者のQOL(生活の質)に配慮し、術後の身体的負担が少なく、通常の日常生活に早く戻れる内視鏡手術(腹腔鏡下手術)を積極的に行っています。主に、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫の治療を対象としています。
具体的な手術方法は、お腹に3~4か所の小さな穴を開けて、腹腔鏡と手術用器具を挿入し、腹腔鏡下での癒着剥離術、腹腔鏡下内膜症病巣除去術、腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術、腹腔鏡下子宮筋腫核出術、または腹腔鏡下膣式子宮全摘出術などを行います。
婦人科の悪性腫瘍(浸潤がん)に対して、根治性を確保しつつ、できる限り機能の保持を目指しています。子宮頸癌の広汎性子宮全摘出術において、膀胱機能の早期回復を促進する骨盤神経温存手術を実施しています。
UAEは、太ももの付け根を約5mmの切開を行い、血管カテーテルを挿入して子宮を栄養する血管である子宮動脈を塞ぐ塞栓物質を使用する治療法です。この方法により、子宮筋腫に血液供給を減少させ、筋腫の縮小が可能となります。子宮筋腫の体積は通常、3ヶ月で約50%、6~12ヶ月で約30%まで減少することが期待されます。治療には一時的に強い疼痛が伴いますが、当院では麻酔科と協力し、経静脈的な患者管理鎮痛(IV-PCA)を行っています。
子宮頸部初期癌および子宮頸部異形成に対して、従来の円錐切除術や蒸散法に加えて、PDT(光力学療法)を積極的に導入しています。この治療法は、当院が国内で最初に導入したものです。PDTは、特定の薬剤を静脈注射した後に、レーザー光線を病変部に照射してがん細胞を破壊する治療法です。
PDTは出血や強い痛みが伴わず、麻酔は必要ありません。一方で、従来の円錐切除術では子宮頸部の一部が切除され、子宮頸管の短縮や頸管粘液の減少が起こるため、妊娠後に早産のリスクが高まることがあります。しかし、PDTは低出力のレーザーを使用し、光化学反応を通じてがん細胞を選択的に破壊するため、子宮頸部の形態と機能を最適に維持しつつ、妊娠と出産を望む患者さんに適しています。現在、PDTを希望する患者さんの中には、20代と30代のシングルの女性が増えています。
担当医師:坂本 優
当院の外来は、6名の常勤医師と1名の非常勤医師(女性医師)から成り立っており、幅広い疾患に対応しています。上記に挙げられた疾患については、どの医師でも診療が可能です。ただし、手術療法やPDT(光線力学療法)など、入院が必要と思われる場合には、なるべく常勤医師が優先的に診療し、迅速に入院・治療を行えるようにしています。
待ち時間を短縮するため、初診と再診の両方について予約制を採用していますが、予約のない患者さんも予約診療の合間で随時診察させていただきます。
子宮頸部初期癌および子宮頸部異形成に対する従来の円錐切除術は、早産のリスクが高まり、子宮頸管の狭窄や子宮口の癒着を引き起こすことがあります。一方、PDTは子宮頸部の形態と機能を最も良く温存できる子宮温存治療法であり、妊娠や出産を希望する患者さんにお勧めしています。PDT外来では、PDTに関する詳細な説明を行い、治療の日程を設定していきます。
主な診療内容 | 子宮頸部病変に対するPDT、第2世代PDT臨床試験 |
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診療日時 | 毎週 木曜日、土曜日 (完全予約制) |
担当医師 | 坂本 優 |
更年期外来では、各年代の女性における健康問題の特殊性を考慮し、局所的な健康問題から全身的な健康に関する問題までを総合的に評価し、精神的な健康と身体的な健康の両面を含む、女性の生涯にわたる疾患予防と健康増進を支援します。
婦人科手術件数 | 月経異常・障害(月経不順、生理痛、月経前緊張症など)、不妊症、子宮・卵巣の疾患(子宮内膜症、子宮筋腫、子宮がん、卵巣腫瘍・がん)、乳房の疾患、更年期の健康問題(更年期障害、肥満、脂質異常症、骨粗鬆症、うつなど)、生活習慣病、メタボリックシンドローム、ホルモン補充療法、食事・栄養指導、カウンセリング *必要に応じて、各専門医と協力して診療に当たります。 |
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診療日時 | 毎週 火曜日 9:00~15:00(予約制) |
担当医師 | 廣瀬 明日香 |
病棟には、4名の常勤医師が配置され、診療にあたっております。
毎週月曜日には病棟回診を実施し、水曜日には病棟カンファレンスを開催しております。これにより、当科に入院中および入院予定の患者様の病状を全医師が共有し、的確な診療を行っています。
手術は毎週月曜日、水曜日、金曜日に行われており、一方でPDT治療は毎週木曜日に行われています。
科名 | 時 間 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 (午前のみ) |
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婦人科 | 午 前 |
松岡 和子 (第1,3,5) 平田 桃 (第2,4) 廣瀬 宗 |
坂本 優★ 松岡 和子 廣瀬 明日香 【更年期外来】 |
坂本 優★ 田中 忠夫 |
坂本 優★ 馬屋原 健司 廣瀬 宗 |
(第2,4) 坂本 優★ (10月25日~) 馬屋原 健司 平田 桃 |
(第1,3) 坂本 優★ (第1,3) 菅野 康吉★ |
午 後 |
松岡 和子 (第1,3,5) 平田 桃 (第2,4) 廣瀬 宗 菅野 康吉★ |
廣瀬 明日香 【更年期外来】 平田 桃 菅野 康吉★ |
馬屋原 健司 田中 忠夫 |
馬屋原 健司 廣瀬 宗 |
馬屋原 健司 平田 桃 |
山口大学医学部卒
がん研有明病院婦人科 前副部長
東京慈恵会医科大学客員教授
日本婦人科がん分子標的研究会 代表世話人
東京産婦人科医会 理事
東京慈恵会医科大学医学部卒
東京慈恵会医科大学名誉教授
専門領域:婦人科腫瘍学、生殖免疫学