当院は開院から140年になる歴史と伝統を誇り、常に患者さんと歩んでまいりました。
リハビリテーション技術科は2014年から新たに発足し、地域医療や周術期リハビリテーションを中心に当院のチーム医療を担っています。医師や看護師、コメディカルや事務職と密接に連携し、チーム一丸となって患者さんのQOLを向上するお手伝いをさせて頂いて います。些細な疑問や不安にも解決に向けて患者さんの 隣に寄り添い、退院後の生活を長く見据えたリハビリテーションをご提供します。
■ リハビリテーション室は病院最上階にあり、見晴らしの良い開放的な空間です
施設基準 | 運動器リハビリテーション料Ⅰ 脳血管リハビリテーション科Ⅱ 呼吸器リハビリテーション料Ⅰ 心大血管リハビリテーション料Ⅰ がん患者リハビリテーション料 |
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リハビリテーション技術科では、膝や股関節、脊柱の術後リハビリを中心に運動器疾患へのリハビリ介入の実績が豊富です。また、呼吸器、心疾患、がんなどの治療中から状態に合わせてリハビリテーションを行っています。
比較的高齢な患者さんの多くは、治療中に体力など身体機能が低下してしまう廃用症候群を呈する方がいらっしゃいますので、身体機能の回復のために運動や日常生活動作の練習を行っています 。
主な取得資格 | |
日本理学療法士協会 認定理学療法士 | 3名 |
日本胸部外科学会、日本呼吸器学会、日本麻酔科学会 3学会合同呼吸療法認定士 | 3名 |
日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士 | 1名 |
2014年にリハビリテーション技術科が開設されて以来、主に骨折や関節疾患術後などの整形外科疾患、内科疾患、がん等の患者さんに 対応し、疾患の特性に合わせたリハビリテーションを行っています。
当科では医師、看護師、栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカーと連携し、リハビリテーションの面から患者さんの回復、心身の機能の維持・充実、生活の質の向上に取り組んでいます。定期的に多職種合同のカンファレンスを実施し、協力して患者さんそれぞれの状態に適した支援ができるように努めています。
病気、けが、加齢、障害等によって運動機能が低下した状態にある方に対し、「寝返りをうつ」「座る」「立つ」「歩く」といった身体の基本的な機能回復を効果的に引き出したり、回復させたりすることを目指します。
■ 左:関節可動域練習 右:歩行練習
日常生活の中でその人らしい生活が送れるように、援助やアドバイス、様々な活動を用いて治療を行います。残存している機能や能力を最大限活用し、日常生活動作・買い物や家事などの手段的日常生活動作の再獲得や社会復帰を目指した練習を行っていきます。患者さんの状態や目的に応じて作業を選び、精神面のケアをしながら、優しく、根気よく対応しています。
■ 左上:徒手療法 左下:巧緻動作練習 右:日常生活動作練習(靴下を履く練習)
言語機能、認知機能、摂食・嚥下機能、発声発語機能などに問題がある方に対して、医師の指示のもと専任の言語聴覚士が検査、訓練および助言、指導など専門的かかわりを行い、機能の獲得や維持・向上を目指して支援します。
摂食・嚥下障害は東京歯科大学水道橋病院と連携し、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査などの評価も行っています。
■ 失語症訓練
整形外科で脊椎固定術、変形性関節症に対する人工関節置換術や骨切り術を行った患者さんに 、消化器外科で開腹術、腹腔鏡術を行った患者さんに、手術前後のリハビリテーションを提供しています。
手術前は注意事項の説明や運動指導を行っています。手術後は早期より身体機能練習、歩行練習や日常生活動作練習を行い、より良い生活を再獲得できるよう支援しています。
また、退院後の生活に合わせた階段昇降練習や動作指導、環境調整のご提案も行っています。
疾患の特性上、安心して治療に専念できるように女性専用混合病棟を 設けています。婦人科、乳腺外科疾患による手術を予定している患者さんに対して女性ならではの悩みや疾患上の特性に合わせたリハビリテーションを行っています。
地域包括ケア病棟は、急性期治療を終えた方や在宅で生活されていて一時的に入院治療が必要となられた方が在宅復帰を目指して入院される病棟です。専門医や様々な診療科が連携し治療を行いつつ、患者さんが安心して在宅復帰を目指せるよう一人一人に合わせて支援しています。機能練習、日常生活動作練習、生活関連動作練習等を行うほか、ソーシャルワーカーと地域のケアマネジャーなどと連携し情報共有することで安全に生活できる自宅環境をご提案しています。
呼吸器や慢性疾患、がんなど様々な疾患の患者さんに対してリハビリテーションを実施します。薬物治療等を行いながら、状態に応じて早期離床、運動療法を行うことで廃用症候群等の二次障害を未然に防ぐよう努めています。抗がん剤による化学療法や放射線療法の患者さんでは治療そのものや副作用による活動性の低下を防ぐため、状況に応じたリハビリテーションを提供することにより治療の一助を担っています。
患者さんやご家族のお気持ちに寄り添い、その方らしさを大切にしながら生活の質の維持や向上を目指す病棟です。患者さんとご家族の触れ合いへの支援を大切にし、それぞれの患者さんの状況に応じて痛みの緩和、生活範囲の拡大、活動性の改善等に向けたリハビリテーションをご提案しています。
2021年
<第5回 日本リハビリテーション医学会秋季学術大会>
自宅退院が可能となったうつ状態を呈したCOVID-19肺炎の一例
<第39回東京都理学療法学術大会>
COVID-19肺炎によるVV-ECMO使用後に独歩で屋外歩行が自立した1症例
2020年
<第25回日本緩和医療学会学術大会>
当院の緩和ケア病棟における専任療法士の活動報告
2019年
<第24回日本緩和医療学会学術大会>
緩和ケア病棟におけるリハビリテーションのあり方を考える
<第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会>
人工膝関節全置換術における術後の早期杖歩行獲得因子の検討
<日本緩和医療学会 第2回関東・甲信越支部学術大会>
自宅外出の希望を実現できなかった1症例
2018年
<第37回関東甲信越ブロック理学療法士学会>
転倒・転落予防を目的に入院時にSPPBを用いた有用性の検討
<第8回日本がんリハビリテーション研究会>
乳がん・脳転移によって高次脳機能障害を呈し、自宅退院可能となった1症例
2017年
<第36回関東甲信越ブロック理学療法士学会>
骨密度外来患者の身体機能評価の検討
<第7回日本がんリハビリテーション研究会>
自宅退院可能となった終末期がん患者の1症例