臨床指標(クリニカルインディケーター)とは、病院の機能や診療の状況などについて具体的な数値として示したものです。
臨床指標を分析することで課題や改善点を見つけ出し、医療の質の向上に役立てるとともに、患者さんにとって分かりやすい医療情報を提供することを目的としています。
今後は、当院が測定している臨床指標をホームページで公開し、最適な医療を提供できる病院となるよう、改善を図り医療の質の向上に努めてまいります。
当院では、一般社団法人日本病院会が推進する臨床指標を取り入れています。
病床がどれほどの割合で利用されているかを示します。
病院全体で平均して、一人ひとりの患者さんが何日間入院しているかを示す数字です。病院の経営の質を示す指標として活用されます。急性期病院と慢性期病院では平均在院日数が異なります。
退院後4週間以内に同一疾患で予定外に再入院した割合です。割合が低いほど、質の高い医療を提供できているといえます。
当院に入院し、死亡退院された割合です。患者さんの重症度等が異なるため他病院との正確な比較はできません。
クリニカル・パスとは、患者状態と診療行為の目標、および評価・記録を含む標準診療計画であり、問題点などを分析することで医療の安全や質の向上を図ることに繋がります。
診療科別に手術件数の多い順にKコード、術式、患者数を示しています。 入院中に行った手術のうち、主たる手術のみをカウントしています。
手術術式点数表コードによる集計でありますが、輸血関連(K920$)、創傷処理等の軽微な手術を除外しています。
Kコード | 名 称 | 患者数 |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 49 |
K634 | 腹腔鏡下鼠経ヘルニア手術 | 21 |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 15 |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの | 13 |
K7434 | 痔核手術 | 10 |
消化器外科では腹腔鏡下手術を優先的に選択しています。一般的な開腹手術と比較して創部の最小化や術後疼痛の軽減、術後の回復が早いなどのメリットがあります。
Kコード | 名 称 | 患者数 |
K877-2 | 腹腔鏡下膣式子宮全摘術 | 80 |
K867 | 子宮頸部(膣部)切除術 | 70 |
K872-5 | 子宮頸部初期癌又は異形成光線力学療法 | 48 |
K8882 | 子宮属附器腫瘍摘出術 腹腔鏡によるもの | 45 |
K877 | 子宮全摘術 | 32 |
婦人科では、良性疾患と悪性疾患手術に対し内視鏡手術(腹腔鏡下手術等)を積極的に行っています。また子宮頸部上皮内腫瘍に対して妊孕性温存能の高い光線力学療法(PDT)を行っています。
Kコード | 名 称 | 患者数 |
K0821 | 人工関節置換術 股 | 169 |
K066-21 | 関節鏡下関節滑膜切除術 肩、股、膝 | 69 |
K0821 | 人工関節置換術 膝 | 39 |
K1423 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)後方椎体固定 | 24 |
K069-3 | 関節鏡下半月板縫合術 | 15 |
整形外科では、膝関節疾患の主な手術治療として、人工膝関節置換術、関節鏡による低侵襲手術(半月板手術等)、骨切り術、そして足部疾患の手術を行っています。また、協定先医師による協力のもと脊椎疾患手術の脊椎固定術や人工股関節置換術を行っています。
Kコード | 名 称 | 患者数 |
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 62 |
K7212 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) | 27 |
K697-31口 | 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(2cm以内) | 9 |
K6153 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) | 9 |
K6532 | 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 | 8 |
消化器内科・肝臓内科(消肝内科)では、食道、胃・大腸の早期癌ならびにポリープに対する内視鏡的治療、肝細胞癌に対するカテーテル治療やラジオ波焼灼術、胆道閉塞に対するステント留置術を行っています。
Kコード | 名 称 | 患者数 |
K4762 | 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) | 15 |
K4763 | 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) | 11 |
K4765 | 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの) | 7 |
K4742 | 乳腺腫瘍摘出術 長径5cm以上 | 7 |
K4761 | 乳腺悪性腫瘍手術 (単純乳房切除術(乳腺全摘術)) | 1 |
乳腺疾患の診療はブレストセンター(乳腺外科・腫瘍内科・病理診断科・遺伝子診療科・放射線科で構成されています。)がチーム一丸となり患者さんをサポートしていきます。その中で乳腺外科は検査、診断、手術療法、ホルモン療法を担当しています。
ミスがあったが事故に至らなかった場合が「インシデント」、ミスが事故に至った場合が「アクシデント」といいます。重大事故を防ぐため、院内全部署より多くの情報を収集・分析し、業務改善を行っています。
入院中に転倒や転落された割合を示しています。転倒・転落を防止対策として、入院中のスリッパによるつまずき転倒防止のため靴の着用を推奨する他、高齢者に対し転倒リスクの低い睡眠薬を推奨、転倒・転落チーム(多職種)にて病棟の環境ラウンドを実施し環境整備に努めています。
インシデント影響度分類レベルが3b以上の件数の割合です。
褥瘡(じょくそう)とは、一般的に「床ずれ」と言われるものです。
入院後に褥瘡が発生した割合を示しています。褥瘡ができるリスクが高い方には、エアマットや体圧分散マットを使用しています。看護師が定期的に体の向きを変え、褥瘡ができないようケアを行っています。
口腔ケアの往診件数を示しています。
当院では、「東京歯科大学水道橋病院」と連携し、がん治療患者の口腔ケアを行っています。がん治療中に口腔のトラブルが発生すると、生命予後への影響やQOL(生活の質)の低下だけでなく、治療の中断・生命の危機にも及ぶため、専門チームによる口腔ケアを実施しています。
当院の緩和ケア病棟の理念は「患者さん自らが苦しみを解放し、自分らしく生きる」ことを援助していき、病やその家庭を自然のこととして受け入れ、患者さん、ご家族にとって最善のクオリティ・オブ・ライフが得られるよう全人的ケアでお手伝いをしています。