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がん診療センター
センターの特徴・地域における役割
<シームレスながん診療>
当院のがん診療センターは、腫瘍内科を主軸とし、乳腺外科、婦人科、消化器外科、消化器内視鏡科、放射線科(放射線治療)、遺伝子診療科、病理診断科と密接な連携を取り、診断期から治療期、緩和ケア期まで院内で一貫できる「シームレスながん診療」を提供することを最大の特徴としています。
<腫瘍内科>
腫瘍内科は2009年に開設して以来、患者さんの日常生活や社会生活を最大限尊重しながら、がんの病態と生物学的特性に合った治療を選択し、実施してきました。
<一人ひとりに最適な治療>
当センターではがん薬物療法および手術療法、緩和ケアを総合的に提供し、患者様一人ひとりに最適な治療を実施しています。また、高齢化社会に向けて、高齢者がん患者さんや長期入院が必要な患者さんにがん診療を提供できる医療環境を整えることも当センターの重要な役割と位置付けています。当センターならではの「がん治療期」と「緩和ケア期」を行き来できる柔軟な診療体制も強みとし、治療を継続しながらも症状緩和やQOL(生活の質)の向上を目指すアプローチを重視すると共に、患者さん一人ひとりの希望に寄り添った医療を実践しています。
<緩和ケア>
さらに、当センターは都内最大級の緩和ケア病棟を有しています。がんと向き合う患者さんとご家族が安心して療養できる環境を整備しながら「最期まで自分らしく生きること」を支援しています。
対象疾患あるいは症状など
腫瘍内科は幅広いがん種の薬物療法に対応しています。特に、乳がん・婦人科がん・消化器がんの薬物療法の患者さんが多く、各外科系診療科とも緊密に連携しながら診療を行っています。
乳がん診療は特に注力する分野の1つで、腫瘍内科・乳腺外科・遺伝子診療科・病理診断科が密接にチームを組み、手術・薬物療法・遺伝子診断を組み合わせ一人ひとりの患者さんに最適な治療を検討していきます。
また、治療抵抗性※1 の胚細胞腫瘍※2 に対する専門性の高い化学療法も実施しており、全国からの相談・紹介をお受けしています。
消化器がんについては、手術療法と化学療法を消化器外科にて一元管理をすると共に、病期や病態に応じ腫瘍内科と連携を取り診療を行っています。
また、早期消化器がんに対する内視鏡的癌治療は、消化器内科が担当しており、低侵襲治療を積極的に行っています。
緩和ケアも特に当センターが注力する領域の1つです。お受入れする患者さんのがん種は問いません。がん診療に従事する緩和ケアの研鑽を積んだ腫瘍内科医が緩和ケアを継続していくことで、がん独特の変化に対応し、がん患者さんの気持ちに寄り添った診療を継続していきます。
<手術療法>
手術療法については、乳腺外科・婦人科・消化器外科が担当し、主に以下の手術に対応しています。
乳腺外科:乳がん手術(乳房温存術・乳房切除術)
婦人科:子宮体がん・子宮頸がん・卵巣がん等の手術、子宮頸がんの光線力学療法
消化器外科:胃がん・十二指腸がん・小腸がん・大腸がん・肝臓がん・膵臓がん・胆道がん・後腹膜腫瘍等の手術および全身化学療法等
一方で、より高度な外科手術や特殊な治療が必要な場合、血液腫瘍(白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫等)等で高度医療機関における薬物療法が望ましい場合等は連携するがん拠点病院等へご紹介し、最適な医療環境の確保を支援していきます。
※1 「治療抵抗性」とは、標準的な治療を行っても病状が改善しなかったり、だんだん効果が減弱し再発・再燃してしまう状態。難治性とほぼ同義。
※2 「胚細胞腫瘍」とは、胎児の時の原始生殖細胞(精子や卵子のもとになる未成熟な細胞)に由来する腫瘍の総称。通常、生殖腺から発生するが、体の他の領域でも発生する可能性がある。
診療の流れや(センターならではの)特徴
当センターでは、患者さんの疾患や病態に応じて、腫瘍内科・外科系診療科のいずれかが初診を担当します。手術を必要とする可能性が高い場合は外科系診療科が初診を担当し、薬物療法が中心となる場合や緩和ケア、がんに対する治療戦略を総合的に検討する必要がある場合は腫瘍内科が初診を担当し、最適な治療方針を立案します。腫瘍内科および外科系診療科の診療状況はセンター内で集約され、多角的な視点での各診療科における治療方針の検討も支援し、がん診療の質の向上を目指しています。
また、当センターでは、化学療法と緩和ケアを並行して提供する体制を整えており、外来通院中の患者様に対しても、疼痛管理や症状緩和を積極的に実施しています。これにより、がんの治療を継続しながらも、生活の質(QOL)を維持できるよう支援しています。
「がん治療期」と「緩和ケア期」をスムーズに行き来できる診療形態をも持つことが出来るのも当院の緩和ケアの大きな特徴の1つです。腫瘍内科医が緩和ケアを継続することで実現できる診療形態です。
さらに、がん相談支援室では治療・療養・生活に関する不安や疑問に対して、専門スタッフが寄り添いながらサポートさせて頂きます。患者さんとご家族の意思を尊重し、最適な医療を選択できるよう支援しています。
医師紹介
がん診療センター センター長、腫瘍内科科長
佐々木 政興 ささき まさおき

専門
腫瘍内科領域全般、化学療法
資格等
日本内科学会 総合内科専門医
日本臨床腫瘍学 がん薬物療法専門医・指導医
日本がん治療認定機構認定医
CATSICLS(日本救急医学会)
ICD(infection control doctor)
東京医科歯科大学医学部臨床教授
主な経歴
群馬大学医学部卒業後、
北里大学研究所病院
国立がんセンター東病院等を経て杏雲堂病院へ
2023年から杏雲堂病院腫瘍内科科長
2024年から現在の副院長
患者さんへ一言
腫瘍内科医はあらゆる場面で患者さん、ご家族と時間を共有するがん診療の伴走者です。手術前、手術後、転移や再発の状況、また緩和ケアが必要な場合など、患者さんの側に立ってお手伝いいたします。
腫瘍内科 部長
河野 勤 こうの つとむ

専門
腫瘍内科領域全般、化学療法
資格等
日本内科学会総合内科専門医
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医
米国臨床腫瘍学会(ASCO)会員
NPO法人がん情報局理事
主な経歴
名古屋大学医学部卒業後、
愛知県厚生連海南病院
国立がんセンター中央病院等を経て杏雲堂病院へ
2023年から現在の杏雲堂病院腫瘍内科部長
患者さんへ一言
腫瘍内科医はあらゆる場面で患者さん、ご家族と時間を共有するがん診療の伴走者です。手術前、手術後、転移や再発の状況、また緩和ケアが必要な場合など、患者さんの側に立ってお手伝いいたします。
腫瘍内科 医員
渡邉 直美 わたなべ なおみ

専門
腫瘍内科
資格等
日本内科学会 総合内科専門医・認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器指導医・呼吸器専門医
日本臨床腫瘍学会 指導医・がん薬物療法専門医
腫瘍内科 非常勤医員
尾野村 麻以 おのむら まい
専門
腫瘍内科
資格等
日本内科学会総合内科専門医
日本乳癌学会認定医
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
がんリハビリテーション研修会終了
腫瘍内科 非常勤医員
渡辺 亨 わたなべ とおる
専門
腫瘍内科
資格等
米国臨床腫瘍学会(ASCO)会員
医療法人圭友会 浜松オンコロジーセンター院長
NPO法人がん情報局理事長
腫瘍内科 非常勤医員
神保 好夫 じんぼ よしお
専門
腫瘍内科
資格等
日本緩和医療学会認定医
日本形成外科学会 再建・マイクロサージャリー指導医/レーザー分野指導医/皮膚腫瘍外科分野指導医
専門医機構形成外科専門医
その他関連診療科の医師詳細は各診療科のページをご参照ください。
診療体制、アクセス方法
がん薬物療法や緩和ケアが中心となる患者さんは腫瘍内科を受診して頂きます。腫瘍内科の初診は完全予約制ですが、数日以内での迅速な受診が可能です。また、他施設より手術療法を前提としたご紹介の場合、原則として各領域の外科系診療科の初診を受診して頂くこととなります。(消化器領域のがんに関しては、内視鏡的治療は消化器内科が担当しております。また、腹腔鏡手術を含む手術療法および化学療法については、消化器外科が担当しております。)
その他
当センターでは、がん診療の質の向上を目的とし、院内外の専門機関と協力しながら、診療内容や体制の充実、医療人材の育成にも力を入れています。
当院の母体である佐々木研究所は、日本におけるがん研究の重要拠点の歴史を持ち、がん医療の発展に貢献する研究活動にも積極的に取り組んでいます。蓄積された臨床データや病理検査・遺伝子解析等の知見をもとに、がんの予防・診断・治療に関する研究を推進し、医療の発展のための知の財産を形成しています。